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カーメン・マクレエ(Carmen McRae、1922年4月8日 - 1994年11月10日)は、アメリカ合衆国の女性ジャズ歌手、ピアニスト。20世紀において最も影響力の大きなジャズボーカリストの1人とされている。
1950年代から1980年代にかけてエラ・フィッツジェラルドやサラ・ヴォーンと並ぶ大御所ジャズ歌手の1人として長く活躍し、日本ではこの2人と共に「ジャズボーカルの御三家」と呼ばれることがある。ただしエラ、サラやビリー・ホリデイの偉大な功績と比較すれば地味な存在とみなされることが多い。
ニューヨークのハーレムにてジャマイカ移民の両親の間に生まれる。10代から20代にかけて主にピアニストとして活動し、最も影響を受けたビリー・ホリデイら著名なジャズミュージシャンとの知遇を得る。
1950年代半ばに歌手デビューし、サミー・デイヴィスJr.とのデュエットを含む録音をデッカ・レコードから発表。それ以来様々なレコードレーベルから多数のアルバムを発表した。
カーメンはポップスに接近したサラ・ヴォーンらとは対照的にジャズの枠を大きく飛び出すことはなく、ピアノトリオなどの簡素な伴奏を得意とした。数少ない例外の一つに1976年にブルーノート・レコードから発表したアルバム'Can't Hide Love'があり、ラリー・カールトン、ジョー・サンプル、デイヴ・グルーシン、ハーヴィー・メイソンらフュージョン界のスターを従え、ジャズに加えてR&B・ファンク・ポップの楽曲を歌いこなしている。
先輩や同世代のミュージシャンに対する敬愛の念を表し続けたのも特徴で、ビリー・ホリデイ、デイヴ・ブルーベック、 ナット・キング・コール、セロニアス・モンクらに捧げたトリビュートアルバムを発表した。1990年に死去したサラ・ヴォーンに捧げた'Sarah: Dedicated to You'を同年発表し、それが最後のアルバムとなった。
長年にわたる喫煙の影響で晩年になるにつれて声域・声質は低く重く変化した。肺気腫のため1991年に引退を余儀なくされ、1994年に呼吸器疾患の合併症のため死去した。
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